anyday

 

20120316

『風ノ旅ビト』1周目を周った。ガチで泣いた。なんなんだろうね、これは。いやたぶん、この感じはね、知ってるよ。SFC の『MOTHER2』のラスボス戦のあそこだよ。そこにある現実味なんだよ。手のひらの上にある重さそのものなんだよ。

すごいよ。「いのる」ことが世界をウォークスルーしていく動機へと昇華してる。ウォークスルーしていくことが「いのり」に繋がる。これはね、物語です。

このタイトルを手がけた thatgamecompany をはじめとしたすべてのスタッフの皆さん、それから一緒に旅したみなさんにあらん限りの敬意を表します。

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20120315

Journey-game-screenshot-20

PlayStation3用オンライン配信専用タイトル『風ノ旅ビト』
http://www.jp.playstation.com/scej/title/kazenotabibito/

全俺が泣いた! この1作のために PlayStation3 と無線ネットワーク環境とついでに大型プラズマテレビをガツンと買い揃えてもいい。いや我が家にある大型プラズマテレビと PlayStation3 と無線ネットワーク環境はこのゲームのためにあったといっても過言ではない。いやいや過言かもしれない。いやはやもはやどっちでもいい。

ちょっとですね、10年に1本あるかないかの、というか、未だかつてない、そして夢見ていたはずの「表現」を「体験」できる、超ド傑作です。あ、すみません、俺の夢の話ですねこりゃ。おれの夢の至る場所がここにあったんだと気づかされたという話です。総毛立ったのです。

この『風ノ旅ビト』というタイトルは、アメリカの thatgamecompany というディベロッパーの作で、原題は『Journey』。彼らは過去にも PlayStation3 用のダウンロードタイトルを何本も発表してきました。どれもが、んー、安直な言葉で言えば「アンビエント」な、ゲーム性のほとんどない、ふわっとした、イマイチ手応えのないというか、軽い作品ばかりでした。んでは、今作はどうなのか?

まだ1周すらしていない自分が書くのもなんですが、とてもとても「ゲーム」してます。手でコントローラーを触って、目で光を見て、音に耳をそばだて、やわらかい重力を感じながら起伏のある地形を心地よく移動していく。ただそれだけのこと、そのひとつひとつに、ここまで心を砕けるのか? という領域にまで踏み込んで突き詰められていて、それが昇華してプレイヤーにフィードバックとして返ってくる。もはやお手上げ。完全に惚れました。一気に遊ぶのがあまりにももったいないので、さきほど、宝物を箱にしまうような心持ちで PS3 の電源を切りました。

この作品を比較するのに、彼らの旧作(FlowerflOw)、あるいは、恐らく、上田文人さんが手がけてきた ICOワンダと巨像が引き合いに出されるでしょう。上田さんについては、彼のアーティスティックな志向との近似性がまず比較されるでしょう。そして砂というモチーフ。これは、誤解を恐れずにかけば、「旅」あるいは「放浪」のモチーフでもある、という点について言及されるんじゃないかな。

俺が ICO やワンダのファンであることをまず公言しておきます。その上で、あえて恐れずに書くならば、この作品は、それらを「解像度」において、遥かに凌駕しています。これは単純に HD になって画素数が多くなったんだとか、そういう問題じゃありません(その点ももちろんあるんだけど、それを旧世代機のタイトルと比較するのはフェアじゃない)。ここでいう「解像度」が表すものとは一体なにか? それは、細やかさであり、細やかであるが故に、そこにある量そのもの、すなわち過剰なまでの細部にまで宿った情報の積み重ね、そこから初めて生まれる「未知の領域の質」であるかと思います。このゲームには、ゲージの類は存在していないんですが、映像と音とコントローラーとからやってくるその圧倒的な情報量が、もう圧倒的。そのサラサラ感は、もはや異常。

あえてそのサラサラ感の中から、特にオススメ! な部分を抽出するのなら、一連のカメラワークを選ぶかもしれません。上に貼ったトレーラーのカメラワークを見て「おっ!」と思った人がいたなら朗報。その「おっ!」の連続ですよこのゲーム。特にイベントの繋ぎなんかはもうスルスルっと心地よくて「おっ?」「おっ!」「おーっ!」「Oh!」「Oh...Yes!!!」等のコンボが炸裂で、とにかく俺が涙目です。

先ほど ICO とワンダの話を出しましたが、上田さんのゲームも、カメラワークには相当なこだわりがあるのがわかります。ただ、もはやゲーム性や快感原則とトレードオフにして表現を取っている部分があるというか、恐らく技術的な問題もあり、窮屈で不快なカメラワークになることがしばしばありました。たとえば ICO ならば、イコの真上に来てしまうカメラワークで方向がわからなくなるところであったり、ワンダなら巨像とカメラの(モデル内部へのめり込みを防ぐための)衝突判定でボコボコに補正されて揺れ動くカメラで酔うだとか、そういったところです。このゲームには、驚くほど、そういう「トレードオフの結果としての不快さ」がない。びっくりします。トンネルみたいなところを進むときもそう。するするっと、本当にシームレスにカメラがシーンを追い、そして構図は常にフォトジェニックです。おめーフォトジェニックとか言うガラかよおっさんって感じですが、もう既にお手上げしているのでひつこく言います。常にフォトジェニックです。

あ、ゲーム性としてのカテゴライズ、っていう意味だと、意外かもしれませんが、手応えは SSX なんかの XtremeSports 系に近いかもしれません。砂丘の斜面をシューって滑ったり、縦の動きのあるところではふわーっと飛んだりするので。あれ系のゲームにマストな要素である「ご褒美としての評価」がない感じ、でしょうか。

まだ1周目も周っておらず、オンラインの旨味も味わっていない状況ですが、もうそれがたのしみでたのしみでしょうがない。超ごちそう。

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20120123

ホムっぺを引っ越しました。つってもほとんどリンク集なんですけど。

http://www.uranus.dti.ne.jp/babagiant/

これまではレンタルサーバを使ってたんですけど、2007年ころから、無料の Web サービス(tumblr とか)のストレージ容量制限が桁外れに上がった感じがあって、任意の cgi とか動かす必要がないならもうそっちでいいじゃん、という感じで。広告も入らないやつが多いし。なので、トップページだとかちょっとしたデータは、家の回線の ISP が提供してるとこに置いちゃって、後はほとんど、外部のサービスになりますね。

トップページに Processing.js で書いた canvas が貼ってあるんですけど、重いとか動かないとかあったら教えてください。いちおう、手持ちの Android 端末(ソニエリエクスぺリアのちっこいの)で 30fps 程度出て動作していることは確認しています。

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20111122

Sony Ericsson XPERIA mini pro がとにかく快適。中でも LDRMate っていう livedoor Reader クライアントアプリとの相性がとてもよい。その秘訣はキーボード。これをシャキッとスライドして引っ張りだすと、横位置画面にサクっと遷移する(普段は省バッテリー化の意味も含めて、自動ローテートを切っている)。で、ペインに分割して見ることができる。閲覧の操作は全部キーボードで、ざっと読んでくだけなら右手だけで済む。いやあ便利。通勤途中にだらだら見るのにちょうどいい。ああ、ただ、ついだらだらと見れちゃうので、本とか読む時間がなくなってるのはもったいないかもな。

それから、仕事場での打ち合わせや調べ事(with モバイルルータ)用のネットブックを買った。ネットブックといえば、積んでいるチップセットは主に Intel の Atom シリーズだけれども、今回買ったのは AMD の C-50 というチップセットを積んだもの。ごく最近まで、そんなチップセットがあることすら知らなかったんだけど、Aspire one 722 という機種の評判が(ネット上で)いいので、秋葉原に出かけて実機を触り、納得した上で購入を決めた。ネットの通販で26Kほど。色はなんとかブルー。

Aspire_one_722_blue_19

このネットブックのメリットはなにかというと

  1. 長時間バッテリー駆動(公称7時間、実際5~6時間は余裕でもつ)
  2. 動作クロックは遅い(1GHz)のだが、2core でそこそこ動く
  3. メモリ2GB(近々4GBに換装予定)で Intel Atom に比べてゆとりがある
  4. モニタ解像度が高い(1366x768。標準的な Atom のネットブックは1024x600 のものが多い)
  5. Intel Atom に比べて「段違い」によいグラフィック性能
  6. Windows7 Home Premium 64bit を搭載
  7. 安い(現時点で25Kくらい)
  8. 天板が波打ってる妙ちくりんなデザイン
  9. 仕事場の人たちがみな MacBookAir を使っているのでよく目立つ

といったところ。そして、それらの目論見は、ほぼすべてうまくヒットしている。便利便利。

ネットブックに Windows7 はちょっと荷が重くてだるいかなあと思い マルチブートで Ubuntu を入れてみたけど、どうもデバイス周り(主にネットワークと電源管理に関するところ)がうまく動かなくて、めんどくさくなって、というか情報が少ないので断念。で、開き直って Windows7 でいじっているけど、ちゃんと自分なりの設定にしてやれば、これがなかなか使いやすいんですな。Vista の頃からイヤだイヤだと思ってきた UAC も、ああ、Windows ちゃん、ちゃんとセキュリティに気をつかってくれてるんだな…などという、もはや妄想の類の何某かが膨らんできちゃう塩梅。

こいつの不満点は少ないけれど、挙げるとするならタッチパッドの使い勝手の悪さ。これのタッチパッドは2点の検出が可能なもので、マルチタッチジェスチャにも対応していて、かなり MacBookAir を意識した作り…なんだけど、なんか応答がもたついたり、指が1本離れた後にまた2本でタッチしたときにうまく機能してくれなかったり、それからクリックボタンが異様に硬かったり(まるで缶ジュースのプルタブを開けるような労力が必要)、まあなんというか、そういう感じがいろいろとあって使いづらい。また、ThinkPad の TrackPoint での操作に慣れていることもあって、(これはこの PC に限ったことではないのだけど)ポインティングするためにいちいちパームレストから手を手前に引っ込めなくちゃいけないことがめんどくさい。結局、bluetooth マウスを繋げて使っている。

ところで、ネットブックを含むノート PC と言えば、まあ、これはノート PC だけには限らないのだけども、メモリの価格がずいぶん安くなっていることが巷で話題。4GB DDR3 が2枚で3Kちょっと。ノーブランドのものなら2Kを切る場合もある。これは欲しいなあ。ということで、4GB を2枚買った。先に書いたネットブックと、家で多用している ThinkPad X200s に挿すつもり。挿し替えで余ることとなる 2GB×2枚は眠らせる。売っ払おうかとも思ったけれど、さっきネットで買取価格を調べてみたら、ほんとゴミみたいな値しかつかないんだもの。

PC 話の流れにのって、ついでに自宅のデスクトップ PC の話。こいつは我が家の本丸なのだけど、なんだかずうっと調子が悪いのだ。いくつかのアプリは、相性が悪くて使えない。使えばブルースクリーンなしで reboot してしまう。今までは見てみぬふりを通してきたけど、最近いきなり reboot がかかることが何度かあったので、重い腰を上げていろいろとテストしてみた。

まず、Memtest は問題なし。数時間回して問題なかったから問題なし。たぶん。

次に、CPU のストレステスト。あっさりひっかかる。あらら。うちの PC は AMD の 6core を積んでるんだけども、ぜんぶのコアが100%に張り付いてから数分すると 画面がブラックアウトして応答がなくなる。そういえば、以前に VLC プレイヤーから動画をエンコしようとすると、全部のコアが100%になってそのうち reboot がかかることがあったんだけど、あれも原因はこのあたりだな、たぶん。ということで、bios 設定をいじって電圧とか動作周波数をいじっていろいろテストしている。で、まさにそのテストを行っている最中にこの日記を書いている。一応、ダウンクロックすることである程度安定動作はしている。ただ、落ちる時もあるし、そもそも電源を入れても起動しない場合もある。もし安定しない場合は、マザーの交換などを検討する必要がありそう、というか、そもそも Intel を選択しておけばよかった…などとは思わないようにしておく。だって当時は SandyBridge の不具合回収騒ぎがあったんだもの! とか弁明をしながら、とりあえずはできる範囲のことを試して、安定した環境を手に入れたいと思う。ダウンクロックしても、普通に使う分には十分すぎるほどだものね。6core もあれば。

そうだそうだ、PC からちょっと離れるが、似た系統の話題で、我が家の iPod touch(第3世代 )と iPad の OS のメジャーアップデートを行った(iOS4.x→iOS5.0.1)。所感としては

  1. ファーム更新時のエラーが(相変わらず)多い
  2. Safari のタブブラウザ化にはちょっと慣れが必要そう
  3. iCloud はわりと便利そう

というところ。iOS のメジャーアップデートって、基本的には古い端末を葬る方向で機能が盛られることが多いから、ちょっと今まで様子見してたんだけど、iCloud 周りに興味もあるので、今回アップデートした iPad とかを使いつつ、様子を見て、普段携帯している iPod touch(第4世代)にも導入しようと思う。ていうか、AppStore からの iOS5 へ挙げろ的な push がうるさくてちょっとうんざりしてるので、それを黙らせたいってのもある。そうやって人は流されていき、なし崩し的にお金を落としていくものなのでしょう。

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追記:2011/11/23

ノート PC はメモリ増設でヒジョーに快適に。息継ぎがなくなった感じ。

デスクトップ PC は、ダウンクロック(2.9GHz→2.4GHz)することで CPU ストレステストを通るようになったものの、onboard の GPU が特定の条件(「Windows 画像と FAX ビューア」で画像を開くだけ)で応答しなくなる、という謎の症状がでてしまった。で、しばらく前に外しておいたグラボを挿して使うようにしたら、この問題ははなくなった。とりあえず。なんか潜在的な問題があるよなあ、これ。

追記:2011/11/24

Aspire one 722 のタッチパッド、カスタマイズしたら少し使いやすくなった。Synaptics ってとこのタッチパッド&ドライバらしいっすね。慣性系の補正を切って、左クリックボタンにマウス右クリックの機能を割り振ってみた。でもやっぱ、2本指での縦スクロールの応答が悪い。指の間隔を意識的に離してタッチしないと2本指操作と判定してくれなかったり、判定できてもすぐに応答してくれなくてスクロール位置がいきなりジャンプしたり。このあたり、特許に関するアレやコレやがあって、落としどころに苦労してるのかな。右端にある1本指のスクロールエリアは非常に素直な反応なので、2本指スクロールの機能は切って、スクロール担当はそちらに任せてしまった。とはいえ、基本はマウスで運用なのだけど。

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20111019

諸般の事情と欲求により、新たな携帯端末、及びデータ通信環境を手に入れた。

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Sony Ericsson XPERIA mini proスライド式 QWERTY キーボード付きの SIM フリーな一品。1shopmobile.com で購入。数日前に注文したときは $235 だったけど、この記事を書いている今現在では $229。円高のおかげもあって、送料込みでの値段が2万円を切った。そして驚いたことに、注文してから2日後には香港から届いた。急ぎで欲しかったので、実にありがたい。

端末をいじった上での雑感は、とにかくキビキビと動くし、そして小さくてかさばらないなということ。ただ、ちょっとばかし重くは感じる。136g。キーボードなしの SK15i だと99gだったので、買う時にどちらにしようか迷い、結局キーボードの汎用性を採択して SK17i を選んだ。しかし、手にしてみると、思っていた以上に重く感じられて、30g 程度の違いとはいえ侮れないもんだなあという所感。それから、キーボードがあるからしょうがないけど、ちょっと厚みが気にはなる。まあでも、このあたりは慣れでしょうな。キーボードが生きるような使用法が出てくれば、はー! キーボード様々! となるような気もしている。

データ通信は、So-net が提供を始めた So-net モバイル 3G という SIM カードにて。これを今朝受け取ったので、早速 SK17i に挿し、テザリングしながら PC でこの日記を書いている。

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通信速度は、今のところストレスを感じることもなく、実にスムーズで問題なし。FOMA の通信網を使っているので、日本国内ならほとんど繋がる(らしい)。契約に2年縛りがあるものの、月額3,000円未満で済むので、なかなかよいのではないかと。

さて、上記の環境が整ったことにより、これまで使ってきた IDEOS + b-mobile U300 というモバイル通信環境が余ってしまう。これを何に使うのかが迷いどころ。実家の親元に iPad2 かなんかと一緒に置いてきて、孫娘の顔を(Facetime とかで)マメに見れるようにする、といったことも考えてはいるけれど、なんせ b-mobile U300 の通信の規制がきびしくて、動画のストリーミングなんてのは完全にムリ。IDEOS は貧弱な端末だけど、モバイルルーターとして有能だし、なによりかわいくて愛着があるので、売っ払ったりしないでなにかにアサインしたい。いろいろ悩みどころ。幸い、IDEOS も b-mobile SIM も、契約上の縛りがない。

まあなんつうか、こういうのって、アレコレ悩んでるときが一番たのしいもんだ。

 

追記:2011/10/20

初日に調子に乗って使ってたせいか、今日は全体的にもっさり。キビキビくるときもあるけど、全体的に遅い。転送量制限食らったぽい。下りで100kbpsくらい。まあでも、b-mobile U300 よりはいい。

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20110904

なんとなく見始めた NHK スペシャル「脳がよみがえる~脳卒中・リハビリ革命~」って番組が、予想以上におもしろかった。

以下、ロクに調べもしないで書くこともあるので、細かい検分はこの記事を読んだ方にお任せする。番組の概要は、脳卒中によって脳の神経細胞が死滅したために身体との通信が断絶された、すなわち麻痺状態にある肉体が、近年試みられているいくつかのリハビリの手法によって、顕著に、急速に回復されていくことがわかってきた、というもの。

番組冒頭に出てきた脳卒中患者の方は、病後数年間に渡って指先が思うように動かなかった。しかし、ある先生の施術、具体的には、ものの10分ほどの間に行った肉体からの刺激によって指が動くようになり、カメラが回っている目の前でみるみる回復していった。なんだか知らんがすごいぞこれは。

番組で取り上げられていたリハビリ手法はいくつかあって、こんな感じ。

  1. 促通反復療法という運動療法により、身体からのフィードバックを適切に脳へと送ることで、断絶した神経細胞「以外」のルートを経由して、その運動と関連する脳の領域へのバイパスを開通させる。これが冒頭に書いた、10分ほどの施術で劇的な回復を見せた手法。麻痺状態にある患者さんの脳の中では、身体を動かそうと神経網の中で経路探索が行われるのだが、従来のルートが死滅して絶たれているため、四方八方に迂回ルートを辿りにいく状態になり、結果として脳全体へと探索の枝葉を広げてしまい、最終的には適切な接続先にたどり着かないのだという。つまり、経路探索のとっかかりがないため、その処理がタイムアウトしてしまい、例えば先に書いた患者さんの場合で言えば、「指が動かない」という結果になる。いわば、重度の麻痺状態。一方で、この促通反復療法では、逆に身体の方から療法士がシグナルを送り(ここにコツというか奥義のようなやり方がある)、脳側のルートとの接続を試みる。脳が考えてから身体が動く、のではなく、身体に動き・刺激を与えたときに脳側も能動的に動かしてもらい、双方から接続を試みる、とでも言おうか。この方法なら、脳の方もめくらめっぽうに探索せずに、なんかしら神経を遡ってきた信号に向けての道を探せばいい。そして、それによって見つかったバイパスルートはちゃんと脳に刻まれていて、それ以降は指が(完璧にではないにしても)動くようになる。
  2. リハビリ療法の際に、たとえば廊下を歩く際に、経過したタイムを計り、いい結果がでたら療法士が患者をすぐに「ほめる」ことにより、リハビリ効果が顕著に上がる。これは「報酬系」という脳の機能(?)が働き、その経路を生存に有益なものとして脳に焼き付けていくらしい。らしい、と番組でもいっていたくらいなので、ほんとのところ、因果関係はわかっていないのだそうだけど、統計的には有意な結果が出ており、実践されているんだそうだ。
  3. ブレインマシーンの開発。例えば、脳卒中で腕が満足に動かない患者さんが「手を動かして、棚の上のリンゴを取りたい」と思った場合、その信号が身体の末端である腕まではうまく伝わらない(=麻痺)。このうまく届かない信号を、ブレインマシーンにより捕捉することで、身体の代替手段であるロボットの操作へと置換して利用するというもの。番組で出てきたその試験では、棚の上にある任意のお菓子を、思念だけでロボットアームを動かし、取り上げ、口へと運ぶまでの一連の動作をやっていた。こういうものが実現化しているってのは知っていたけど、映像で見ると、その精度に舌を巻かずにはいられない。もうちょい上! もうちょい右! みたいな動作がえらく的確なんだもの。
  4. リハビリを行った後に、しっかりとした睡眠を取ることで、回復率が顕著に上がる。どうやら睡眠持に、その日に辿った脳内経路が固着しやすいらしい。睡眠時に脳波をサンプリングすると、特有のパターンが計測されており、それがこの効果に関連があることは明らからしいのだけど、そのパターン自体がどういう意味を持つのかは、いまだにわかっていないのだという。

中でも、1.の促通反復療法には驚いた。この治療の過程を見て連想したことは、小さな子どもが所作を身に付けていくいく、その驚異的な速度のことだ。たとえば、おれの娘について思い返してみると、ある日突然、スプーンをうまく使ってお椀からご飯をすくい、それをこぼさずに口へと運んで食べれるようになった。それを目の当たりにしたときは、もちろん驚きはあったのだけど、ただ、なんとなく、突然出来るようになった、という感じはしていなくて、こりゃあなんなんだろうか? とは思っていた。娘の頭の中では「スプーンでご飯をすくってこぼさず口へと運ぶ」ことのイメージなんてとっくの昔に出来ていて、後は身体との関連性がうまく紐付けされていないだけだったんじゃないの? という思いだ。娘は以前からスプーンを使おうとはしていたけど、うまくご飯をすくえなかったし、すくえたとしても、まず間違いなくこぼしていた。ところが、うまく出来るようになってからは、その成功率はなかなか高いし、手の動きも実に速いのだ。すでに手馴れているといってもよい。思うに、彼女の頭の中のイメージをどの経路へと流せばしっくりくるのか、ということの模索期間が一番長かったのかなあとか、そんな気がしている。

それからね、超能力のことを考えましたよ、超能力。イメージする力と、発火した信号を流す経路と、それを顕在化させる出力、それさえ揃えばいろいろできちゃうんじゃないの? っていう。そこでいうイメージの中って、なんか、ニオイだとか、温度だとか、湿度だとか、あるいは重力なんかの力場だとか、なにかしら生理現象と密接な要素が関わっているような感じはする。

ニオイ、ってことで思い出したけど、先日「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」が、地上波で初めて放送されたのだけど、エヴァ大好きですのでもちろん観たわけです。というか、劇場には3度観に行ったし、ブルーレイ版だって買いました。で、この作品には、新キャラである真希波・マリ・イラストリアスという女の子が登場していて、彼女は数少ないセリフの中で何度も「ニオイ」について口にするのです。で、彼女が活躍するシーンで、何度観ていても「おっ」と感心する描写があって、それは彼女がエヴァ2号機に乗ったときに「他人のニオイも悪くない」といったセリフを言いつつ、「あー(エヴァの操作が)しっくりくるー」みたいなことを言うところなんです、たしか。たしか? たしかってなんだ? すみません、エヴァ好き&何度も観ているアピールをしたわりにはうろ覚えの上、確認もせずにすみません。まあ、でも、言うんですよ、どっかのシーンで。で、その時にアニメーションの方では、彼女が手をニギニギしたり伸ばしたり縮めたりしてエヴァの操縦感覚を味わっているんだけど、エヴァは彼女の動きに対して0.3秒くらい遅れてから追従するように動くんです。で、それを観ているおれは、おっ、めっちゃディレイしてるけど、これ、マリにはしっくりきてるんだ! と感心するんです。しっくりきている。ジャストに思える。そんなゼロのように思える瞬間の中にもレイテンシーはあるんだよ! ってことを大きく引き伸ばして表現しているような、そんな感じがするんです。こんなこと、エヴァが好きな人には、釈迦に説法でしょうけども。まああれです、シンクロ率です。あー、でも、シンクロ率100%でもレイテンシーはあるんだろうなあ。

話はリハビリのことに戻って。おおむね、どのリハビリ療法にも共通しているらしきことは、「言葉」の介在。促通反復療法でも、脳と身体(ちょっとこう書くのは違和感ありますね。脳は身体の一部だし)を繋げる際に、身体の方の刺激に合わせて声をかける。そうすると、脳汁が出るというか、脳側からもピピッと信号が出る。それがうまくマッチングすればオーケー、みたいな感じの治療なので、やっぱり言葉が重要だと。「ほめる」については、言わずもがな。催眠術とかでもそうだけど、内と外とをなにかしら繋げる必要があって、それに一番適切なインターフェースが言葉なのかもしれない。じゃあ耳の聞こえない人はどうするの? という疑問もわくけど、たぶん、言葉以外のインターフェースが言葉となるんじゃないのかな。この辺りの話になると、真言とか、真名だとか、なんだかそういうお話にも繋がっていきそう。

いろいろと飛び火した話になりましたが、この番組、12日の深夜に再放送があるみたいなので、興味のある方にはオススメしておきます。

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20110826

ヤノマミ」というノンフィクション作品を読んだ。

ヤノマミとは、ブラジルとベネズエラの国境付近、アマゾンの森の奥に住まう先住民たちのことを指す言葉で、それは「人間」という意味を持つ。つまり、ヤノマミ族の人たちは、自分たちのことをヤノマミと呼ぶ。言い換えれば、人と、人ではないもの、たとえばヤノマミにとっては「精霊」が存在することを暗示している。一方で、我々、いわゆる文明側の人間は彼らに「ナプ」と呼ばれ、そこには「人ではないもの」という蔑称が込められている。筆者は、「ナプ」としてヤノマミのコミュニティに長期滞在して取材を行い、その中で起きる様々なことを綴っている。

ヤノマミ族の子どもは、生まれたときにはヤノマミとしては認められていない。つまり、「人」として扱われない。ヤノマミの女は、出産が近づくと人知れず森へと姿を消し、森の中で子を産む。その産まれたばかりの「まだ人ではない」子どもは、地面に置かれて母の判断を待つ。母親がその子をヤノマミとして迎え入れるのならば、抱き上げて連れて帰る。精霊として送るのならば、その子は白蟻の塚に入れられ、白蟻に食べ尽くさせ、後日、その場を再訪した母親の手によって白蟻の巣ごと焼き払われ、精霊として天に送られる。

この本のことはこちらの記事で知った。紹介記事の冒頭にあるとおり、この本は傑作だ。筆者は「ナプ」として彼らの生をまざまざと観察することで、何かしらの感覚が、根本的に、致命的に変わってしまう。そして、その筆者が、自分と同じこの世界(我々の思うところの世界)に実在しているということに戦慄を覚える。

大きなお世話かもしれないけども、あえて書かせてもらうと、なにかを作って人に提示する、そういう仕事や活動を日々行っている人には、本書を読んでみることを強くおすすめする。通奏低音のように鳴り響く異質なうねりは、新たになにかを生み出すときに原動力として不可欠な、人間としての根源的なリズムと相関しているように思う。

筆者は NHK の映像ディレクターであり、この取材もドキュメンタリー番組として仕上げるためのものであったという。その番組は未見なのだけど、かなり話題になったらしく(それはそうだろう)、後日、劇場版として製作され、公開された。その DVD 盤も発売されている。是非見てみたい。

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20110811

そこかしこのエレベーターに乗るたんびに、いちいち気にしてしまうことがある。どの順番でボタンを押していけば、最短の所要時間で目的階へと着くのか、ということ。この問いには(たぶん)選択肢が2つしかない。

  1. 「目的階」ボタンを押し、次に「扉を閉じる」ボタンを押す。
  2. 「扉を閉じる」ボタンを押し、次に「目的階」ボタンを押す。

エレベーターで上がり下がりしながら、こっちが最適解だろうなといつも考えるのは、2.である。なぜなら、「扉を閉じる」ボタンを押した後に、実際に扉が閉じるまでに少なくとも3秒、いやいや3秒ってこたあないだろう、安全性を考慮するならばもっと時間がかかるだろう。その扉が閉まるまでの物理的所作のウェイトタイムに、「目的階」のボタンを選んで押せばいい。つまり、扉を真っ先に閉めることで、エレベーターが昇降を開始するまでの時間を最短にすることが、なによりの最適解なんじゃないかと思う。

だけど、ほんとにそうなんだろうか? たとえば、エレベーターの「扉を閉じる」ボタンを押してから、実際に扉が閉まり始めるまでの応答速度は、あいまいな記憶に頼るならば、意外と長いように思える。事故防止のための対策などで、ドアが開いてからは一定時間は閉じないようにウェイトが入っている可能性も大きい。そうなってくると、扉が閉じるまでの時間が実際どれくらいかかるのか、曖昧になる。となると、さっき書いた説の前提である、真っ先に昇降させる、といったことが崩れてくるというか曖昧になってくる。

しかもである。自分では2.が最適解だと理屈で思っていながらも、実際にエレベーターに乗りこむと、反射的に1.の「目的階」ボタンを押してしまうことが多い。これは、エレベーター待ちの間、頭の中では「何階に行くんだっけか?」ということが表立ってもわもわしているからで、よほど意識して「扉を閉じる」ことを意識していないと、まずそれをやってしまう。いやいや、意識しててもついついやってしまう。生理現象のようなものなのかもしれない。

あと、「目的階」ボタンを押すと、「扉を閉じる」ボタンも押したこととして条件分岐するエレベーターもあるかもしれない。その場合、「階数ボタン」を押すことが、最短の手順であり、「扉を閉じる」ボタンを押すことは、実質的に無意味になる。

不確定要素は他にもある。たとえば10階建てのビルのエレベーターならば、「目的階」ボタンはおそらく最大で10ヶある。ということは、目的階のボタンを視認して押すためには、その10ヶのボタンを視認して選択する必要がある。しかし、「階数ボタン」は数字というわかりやすい記号で表記されているから、10ヶ程度の数ならあっという間に目的階のボタンを見つけ出せるだろう。一方、「扉を閉じる」ボタンは、「扉を開ける」ボタンとの2択である。これなら選択するのも早いだろう、とも思う。だけども、おれの場合は、これがなかなか難しい。エレベーターの開け閉めのボタンのどちらがどちらなのかを判別するのに時間がかかるのだ。このボタンは、大概が矢印を用いたものだけれど、いまだにどっちが閉じる方向を示したボタンなのかが、見てすぐにはわからない。つまり、記号性が低いと思っている。このときにかかる時間は、先に「目的階」を選ぶ時間よりも長くかかってしまうことがあるような気がしている。

さて、こういったインターフェースを「作る」側の視点に立って考えると、いろいろとおもしろい。おれの予想だと、たいていの人は、まずは「目的階」ボタンを押すような気がする。でも、人によっては「扉を閉じる」ボタンを先に押すだろう。その両者が混在する中で、使う人や既に乗っている人たちに違和感を感じさせないような、そういう複線を張った設計と実装をする必要があるだろう。

なんの話かわからなくなってきたけど、要するに、エレベーターの制御ソフトを作る仕事なんかに、ちょっとばかり興味があるってことです。興味があるだってだけで、実際にやることはないとは思うけれど。

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20110708

前回の日記にある製本サービス tolot を使って作った写真集を、500円にて販売しようと思います。主に ”okhotsk” というブログにアップロードしてきた写真で構成しております。ご興味のある方はご連絡ください。私のメールアドレスは okhotsk.893@gmail.com です。連絡の手はずだとか、配送の仕方だとか、入金のあれこれだとか、ちょっとドタバタするかもしれませんが、そのあたりは素人仕事とご容赦ください。

Cover

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20110703

Tolot
tolot という製本サービスを使ってみた。なにが目玉かっていうと、お値段が安いこと。A6文庫本サイズ、64ページ、送料込で500円。なんとワンコイン。お試しして、結果、失敗したなあと思っても、まあいいやと許してしまえるお値段。他の同様のサービスだと、だいたい数千円はかかるから、かなり安いんじゃなかろうか。

で、出来上がった本を目にした感想としては、なかなかよい。500円という値段を考慮に入れると、かなりよい。解像感や階調表現はあまりよくないけども、そこが逆に安っぽくて、印刷物だなあというか、本だなあというか、文庫本だなあというか、そういった、なんだかモノに変質した感じがして、そこがうれしい。もしかしたら、解像感については、製本に使った画像の解像度が低かった(Web にアップロードしている横1200pxのサイズ)ことが原因かもしれない。まあでも、気にならないからいいや。これで充分。

難があるのは、発注までの手順。画像のセレクト~オーダーまでを行うアプリが iOS のみなので、いちいち iOS 端末に写真を転送しておく必要がある。あと、このアプリは、現時点だとかなりバグが多いので、ちょっとその辺がアレかな。tolot 側で想定しているユーザーが、カメラ専用機をわざわざ持ち歩かず、iPhone なんかで日常写真を撮りためてる人なんだと思うけど、できれば Web 上でアップロードしてオーダーできるようにしてくれるといいなあ。

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